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無申告加算税について

無申告加算税とは

正当な理由なく提出期限内に確定申告書の提出をしない場合に課せられる加算税のこと

無申告加算税とは、申告期限までに税務申告をしなかった個人や法人に、実は納付しなければならない税額がある場合、未納であるその税額に対して加算される税金のことです。

無申告加算税とよく似た性質の税金に、「過少申告加算税」がありますが、こちらは期限内に申告をしていて、その納税額に不足が生じた場合に発生する加算税である点に違いがあります。

無申告加算税が発生するケース

無申告加算税は、未納である税額に応じて計算されますので、確定申告書の提出や税務署による更正や決定といった処分によって、税額が確定した時に初めて発生します。

無申告加算税が発生するケースには、下記の3つがあります。

ア 期限後申告を提出したとき

イ 税務署による決定があったとき

ウ アやイの後に、修正申告の提出をしたときや税務署による更正があったとき

【税務署による決定とは】

納税申告書を提出していない無申告者に対し、税務調査の結果から、税務署が職権で納税額を決定する手続きをいいます。

【税務署による更正とは】

納税申告書の提出を行った者に対し、税務調査の結果から、その申告書に記載された税額等の誤りを税務署が職権で正す手続きをいいます。

【修正申告の提出とは】

納税額のある税務申告(期限内・期限後を問いません)を提出したものの、その税額に不足がある(=少なく申告し過ぎている)ことがわかったとき、前の申告内容を自主的に訂正するために行う申告をいいます。修正申告書の提出は、税務署からの更正が行われるまで、いつでも行うことができます。

正当な理由があれば無申告加算税は発生しない

無申告加算税は、期限内申告書の提出がなかったことについて「正当な理由」があると認められる場合には発生しません。「正当な理由」については、後述します。

申告期限からの経過期間に応じて延滞税が加算されることもある

無申告加算税が発生するとき、同時に「延滞税」も発生することがあります。

延滞税とは、法定納期限に遅れて納税するとき、遅れた日数に応じて発生する税金です。

確定申告をせずに、期限後申告や税務署の決定などによって税額が確定した場合、その法定納期限から計算されることとなります。

所得税や法人税といった本税に対してのみかかる税ですので、加算税に対しては発生しません。

税金納付の期限は?

個人の所得税の申告期限・納期限は、申告する所得の年の翌年3月15日までです。

土日であれば翌開庁日となります。

この日までに一度も確定申告をせず、期限を過ぎてから申告すると、期限後申告の扱いになり、無申告加算税の対象になってしまいます。

「それなら期限後に申告しなければ、無申告加算税はない?」と思われるかもしれませんが、税務署は無申告者に対しても税務調査を行いますし、その結果によって職権で課税することができるため、この考え方は危険です。

なお、災害や新型コロナウイルスの関係などで、年によって申告期限・納期限が変わることがありますので、詳しい期限については、国税庁のホームページをご確認ください。

無申告加算税が課税されるとどうなる?

無申告加算税が課税された場合の税率

自主的に期限後申告をした場合

税務署からの調査の通知前に、期限後申告を自主的に行った場合の無申告加算税の税率は、5%です。

調査の通知後、税務署からの決定の予知がある前に行われた、自発的な期限後申告と認められる場合は、10%になります。

決定等の予知があって期限後申告をしたと判断された場合

税務署からの調査の通知の内容や、職員とのやり取りなどから、いずれ税務署から決定等の処分があることを予知して期限後申告をしたものと判断された場合、無申告加算税は15%になります。

決定等の予知があったかどうかは、税務調査の通知内容や職員とのやり取りなどから、自発的な期限後申告なのか、税務署からの通知内容に心当たりがあって行われたのかを総合的に判断されます。

誤解されやすいのですが、税務調査とは、職員が現地にやってくる、いわゆる実地調査だけを指す言葉ではありません。

電話や書面、面談等といった形式で行われた調査でも、決定等の予知があったと判断されることがあります。

納税額が50万円以内の場合

期限後申告書による納税額が50万円以内であれば、上記のとおり、期限後申告をしたタイミングに応じて、納税する所得税などに対し、5%・10%・15%の税率で無申告加算税が発生します。

税額が50万円を超える場合

税務調査の通知があった後に期限後申告書を提出した場合で、その納税額が50万円を超える場合(=10%や15%が適用される場合)、50万円を超過する部分に対する税率が5%加算されます。

つまり、無申告加算税が10%のときは、50万円超過部分のみ15%が適用され、無申告加算税が15%のときは、50万円超過部分のみ20%が適用されるということです。

税務署からの通知前に申告した、無申告加算税が5%のときには、この加算措置はありません。

意図的な無申告と認められた場合の税率

たとえば、二重帳簿や帳簿書類の改ざんなどで売り上げを隠蔽したり、架空契約書を作るなど事実を仮装したりする明らかな所得隠しがあった場合、無申告加算税に代えて、納税額の40%に相当する重加算税が発生します。

さらに、過去5年内に、同じ税目で無申告加算税や重加算税を課されたことがある場合、重加算税の税率に10%が加算されます。

無申告があっても加算税がかからない場合

無申告であっても、期限内申告をする意思があったと認められる一定の要件を満たす納税者については、無申告加算税の不適用制度によって、無申告加算税がかかりません。

【無申告加算税の不適用制度の要件】

以下のすべての要件を満たす必要があります。

・期限後申告書の提出が、法定申告期限から1か月を経過する日までに行われたものであること

期限後申告書の提出が、調査による決定を予知してされたものでなく、期限内申告書を提出する意思があったと認められる「一定の要件」を満たしていること

「一定の要件」とは、以下のすべてを満たすことを必要とします。

・過去5年内に、無申告加算税または重加算税を課されたことがなく、かつ、無申告加算税の不適用制度の適用も受けていない ・税額の全額を、法定納期限(口座振替納付の手続きをしていれば、期限後申告書の提出日)までに納付している。

やむを得ない理由があれば期限延長申請も可能

期限内申告がどうしてもできないやむを得ない理由がある場合は、税務署への申請によって申告期限を延長できる可能性があります。

やむを得ない理由の例

国税庁の通達によると、やむを得ない理由とは、おおむね次のような事実が該当すると示されています。

・地震、暴風、豪雨、豪雪、津波、落雷、地滑りその他の自然現象の異変による災害

・火災、火薬類の爆発、ガス爆発、交通途絶その他の人為による異常な災害

・申告等をする者の重傷病

・申告等に用いる電子情報処理組織で国税庁が運用するものの期限間際の使用不能その他の自己の責めに帰さないやむを得ない事実

事前に「所得税の申告等の期限延長申請書」を提出する

延長の申請をするには、「災害による申告、納付等の期限延長申請書」を、やむを得ない理由がやんだ後相当の期間内に、その理由を記載して提出する必要があります。

延長可能期間はやむを得ない理由が解消されてから2か月以内と定められている

延長の申請が承認された場合、やむを得ない理由が解消されてから2か月以内の範囲で申告期限が延長されます。

なお、この延長手続きは申請ですので、承認されない可能性もあります。

書類を提出すれば必ず延長されるというものではありません。

もし、やむを得ない理由にあたらないと判断されれば、延長は認められず、その後に行われた申告は、期限後申告として扱われてしまいます。

無申告加算税が課されないために

スケジュール管理を徹底する

無申告加算税を課されないようにするには、期限内申告ができるよう、決算から税務申告までのスケジュール管理を徹底することが大切です。

税務申告は、やろうと思ってすぐに始められるものではありません。

必要書類の収集、記帳といった準備から、計画的に進めておく必要があります。

期限が過ぎたら早急に自己申告する

「無申告加算税がかかるなら、今さら期限後申告なんてしない」と思われるかも知れませんが、税務調査の通知前であれば、無申告加算税は5%に抑えることができます。

したがって、たとえ期限を過ぎていても、税務署から連絡が来る前に、なるべく早く自ら申告することが、無駄な税金を支払わずに済む最良の選択となります。

確定申告ソフトを利用して決算書作成を効率化する

記帳データを基に決算書や確定申告書を作成できる、市販の会計ソフト・確定申告ソフトもあります。

転記や計算ミスを防ぐことができることから、確定申告の作業を効率化させることが期待できます。

さらに毎年活用すれば、よく使う仕訳を登録したり、確定申告で必要となる個人の氏名等の入力を省略できたり、所得控除の申告漏れを防いだりすることで、さらに効率化していくことができます。

すでに記帳が終わっている方なら、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」から、税務申告書と青色申告決算書(白色申告なら収支内訳書)を無料で手早く作成できます。

電子申告を利用する

国税庁のe-Taxを使うことによって、確定申告書や決算書など必要書類を送信することができます。

これによって、郵送や持参といった手間をかけず、自宅から確定申告を行うことができます。

初めてのe-Tax利用開始時には手続きが必要ですが、一度手続きを済ませれば、翌年以降も利用が可能です。

電子申告を行う場合は、e-Taxに対応した確定申告データを作成する必要があります。

国税庁の「確定申告書等作成コーナー」や、市販のソフトでも対応しているものがありますので、ご自身の業務に合うものを選びましょう。

ABOUT US

新宿の税理士「中村太郎」
税理士業界経験20年超。過去、300社を超える会社、さまざまな業種・企業の税務・財務・融資・補助金申請などの業務を経験してきました。その経験と、士業はサービス業であるという精神から、ご満足頂けるご提案やサービス提供が可能であると自負しております。貴社の真のビジネスパートナー、経営者の方の「右腕」として弊社をご活用下さい。