税理士を変更するときの5つの注意点
税理士変更のタイミングと時期に気をつける
税理士の変更をスムーズに行うには、契約解除の連絡をするタイミングや時期に注意が必要です。
特に、確定申告の直前期における税理士変更の連絡は、避けた方が無難といえます。
この時期の担当者や所長税理士は、常に顧問先を飛び回っていますので、連絡をとることが難しく、たとえ連絡がついても、落ち着いて事情を話したり、返却してもらわなければならない書類関係の準備に時間がかかったりして、スムーズに変更が進まない可能性が高いです。
したがって、個人の確定申告の直前期である2月・3月の税理士変更は避けましょう。
また、一般的に3月を決算月とする法人が多いため、法人の確定申告期限が集中する5月も多忙である事務所が多いです。
詳しい内容は、こちらの記事でも解説しています。是非参照ください。
次に依頼する税理士を見つけておく
税理士を変更するなら、次に依頼する税理士を先に見つけておく必要があります。
「とにかく一日でも早く解約したい!」「今の税理士よりいい人なんて、すぐに見つかるに決まっている!」という気持ちもあるかと思いますが、短期間で見つけた候補の中から適当に選ぶと、また税理士変更を検討しなければならなくなる可能性があります。
税理士変更の検討を始めてから実際に変更するまでの期間は、半年から1年程度を見積もっておいて、税理士変更をする可能性が高まったら速やかに次の税理士探しを始めましょう。
税理士との契約書を確認する
税理士に変更の連絡をする前に、税理士と交わした顧問契約書で契約解除の手続きを確認しておきましょう。
契約通りの手順で解約することで、無用なトラブルを防ぐことができます。
中には、「解約の3ヶ月前には申し出ること」などの条件が設定されていることがあるので要注意です。
税理士に預けている書類は確実に返してもらう
税理士を変更する際は、今の税理士に預けている書類や、それまでに入力した決算・申告のデータや税務などの届出関係をまとめた資料をすべて渡してもらいます。
これを怠ると新しい税理士が現状を把握できず、前の税理士に確認を取らなければならない状況が発生してしまいます。
また、関係を解消した税理士に、会社や個人の重要な情報を預けていてもメリットは特にありません。
逆に何かあったときの情報漏えいリスクは残りますので、税理士変更をする際は、全ての書類を返してもらうことが合理的です。
もし、税理士が書類返却を拒否するような場合、その税理士が所属している税理士会に相談するという対処法があります。
税理士変更の最終業務日を決めておく
新しい税理士が担当を開始するまでの間に税理士不在の期間が生じないよう、今の税理士との間で最終業務日を取り決めておく必要があります。
また、後に税務に関する責任の所在を明らかにしなければならない事態が発生したときに備え、最終業務日は記録に残し、しばらくの間、保管しておきましょう。
税理士を変更するときに失敗しないためのポイント
事前に依頼したいことを明確にしておく
税理士変更を検討されている方は、今の税理士から受けているサービスを通じて、税理士に本当にしてもらいたいことが見えてきたのではないでしょうか。
次に契約したい税理士には、ご自身が依頼したいことを出来る限り細かく前もって伝えるようにしましょう。
- 確定申告や決算書の書類作成、申告
- 節税対策のサポート
- 税務面から見たときの資金繰りの見直し
- リスクや改善点の把握 など
税理士と実際に会ってから変更を決定する
「優秀な先生だし、業界では評判もいいはずなのに、なぜか私には合わない…」
「話し後、いつも何となくモヤモヤする…」 ということがあります。
この「何となく合わない」という感覚は、意外と重要です。
税理士は、言ってみれば経営者に伴走する「パートナー」ですから、「相談しやすい人柄である」、「話し方が分かりやすい」、「前向きな姿勢で好感がもてる」といった印象も、税理士を選ぶ際の重要なポイントになります。
税理士を変更するとき、次に契約したい税理士とは、実際に会って話しておくことが大切です。
- 話をしっかり聞いてくれ、自分の話や提案を一方的にしてこない
- 専門的な用語ばかり使わず、分かりやすく話してくれる
- 経営者の目線に立ち、アドバイスをしてくれる
税理士の特徴や強みを把握する
次の税理士を選ぶ際には、その税理士の得意な分野とご自身の営む事業がマッチするかどうかを確認しておく必要があります。
税理士によっては、事務所のホームページで、事務所の経営理念、サービス内容、料金、経営支援に対する考え方や方法、実績などを公開しています。
こうした情報を踏まえて話を進めることで、税理士変更の後になって「思っていたサポートが受けられなかった」「うちの会社の経営方針やスピード感には合わなかった」といったミスマッチを減らすことができます。
税理士を変更して成功したケース
会社の課題が明確になった
自社の業界に明るい税理士や、経営支援に前向きな税理士に変更することによって、それまで経営者が気が付かなかった会社の課題の発見に繋がることがあります。
経営のパートナーになってもらえた
経営者は経営環境の変化、会社の成長戦略、人材の採用や育成、事業承継や相続など、あらゆる悩みを独りで抱え、日々戦っています。
決算や確定申告を依頼しているだけの関係である税理士にこれらを相談しようとはなりませんが、人柄の合う税理士に変更すれば、経営や将来に関する悩みも相談できる良きパートナーになってくれます。
税務調査に立ち会ってもらい、安心して対応することができた
税務調査の対応は、税理士によって異なります。
調査に立ち会って、税務職員の質問に答えたり、一緒に調査結果を聞いて必要なことを答えたりする税理士がいれば、税務調査も安心して対応できます。
また、「書面添付制度」を活用し、クライアントを税務調査の負担からできる限り守ることも可能です。
税務調査への積極的な対応や書面添付制度を導入している税理士に変更することで、税務調査の負担を軽減し、本業に全力投球することができます。

いかがだったでしょうか。
税理士は、会社や経営者様にとって重要な「パートナー」であります。
自分に合った税理士を選ぶことが、会社の発展や、会計処理の効率化にも繋がっていきますので、記事でご紹介したポイントを押さえ、自分に合った税理士を見つけましょう!