Pick UP!【税理士変更を行うと税務調査の対象になりやすい?】

税理士変更の適切なタイミングとは?注意点やメリット・デメリットを解説!

税理士 中村太郎

まいど!西新宿の税理士 中村です!

今回は【税理士変更のタイミング】について。

会社の経営や、個人事業を営まれる方にとって、重要なパートナーとなる税理士。

主要な業務は税務申告ですが、申告書を作成するためには日々のコミュニケーションなど、事業主と税理士との間の信頼関係は欠かせません。

様々な理由で税理士変更を検討される方がおられると思いますが、どのようなタイミングで変更すべきなのか、本記事にて解説していきます!

税理士変更のベストな「タイミング」はいつ?

税理士を変更したいと考えた場合、そのタイミングについては冷静に考える必要があります。

「対応に不満がある」「報酬に不満がある」といった悩みがあると、すぐにでも税理士を変更したいと考えてしまうかもしれませんが、次の税理士への引き継ぎ準備や繁忙期などの時期をふまえた上で、変更を検討するようにしましょう。

特に決算月の前後など、あらかじめ忙しくなる時期などが分かっていれば、その時期は避けるようにしてください。

税理士変更と税務調査の関係性についてはこちらの記事を参照ください。

最もおすすめ!「決算申告(法人税申告)が完了した直後」

税理士変更のタイミングとして最も適しているのは、決算申告(個人の場合は確定申告)が完了し、税金の納付が終わった直後です。

決算のタイミングは、会社の1年間の数字がリセットされる区切りの時期です。

前の税理士の業務が完全に完了しているため、新しい税理士への引き継ぎ事項が少なく、最もスムーズに移行できます。

新しい期のスタートと同時に、新しい税理士と伴走し始めることができるのが最大のメリットです。

トラブルになりにくい「現在の顧問契約の更新月」

税理士との顧問契約は、1年ごとの更新とされているケースが一般的です。契約書に定められた更新月に合わせて変更されることも、お勧めの選択肢です。

契約期間の途中で一方的に解約を申し出ると、違約金や残存期間分の顧問料を請求されるなど、トラブルに発展する可能性があります。

契約の満了・更新のタイミングであれば、「契約満了につき、来期からは別の税理士に依頼することとなりました」と、円満にお伝えしやすくなります。

一区切りつく「税務調査が完了し、修正申告を終えた直後」

もし現在、税務調査が入っている、もしくは終わったばかりという状況であれば、税務調査が完全に完了し、必要に応じて修正申告と納税を終えた直後が切り替えのタイミングです。

税務調査中は過去の経緯を最もよく知る現在の税理士に対応してもらうのが鉄則ですが、調査対応に不満を抱いて変更を決意する経営者の方も少なくありません。

一連の対応がすべて片付いた段階であれば、後腐れなく変更手続きに進むことができます。

要注意!税理士変更を避けるべき「NGなタイミング」

ベストな時期がある一方で、「この時期だけは避けてほしい」というNGなタイミングも存在します。

以下の時期の変更は、会社にとって大きなリスクとなるため避けましょう。

決算月の直前〜申告完了までの期間

決算月の2〜3ヶ月前から申告期限(原則、決算日から2ヶ月後)までの期間は、絶対に避けるべきです。

この時期は、現在の税理士がすでに1年間の総まとめとなる決算作業に入っています。

途中で税理士を変えてしまうと、新しい税理士が短い期間で1年分の数字を把握し直さなければならず、申告期限に間に合わない、あるいは重大な申告ミスが発生するリスクが高まります。

個人の確定申告や年末調整などの繁忙期

税理士業界には、明確な「繁忙期」があります。具体的には以下の時期です。

11月〜1月:年末調整、償却資産税申告、法定調書の提出

2月〜3月:個人の確定申告(所得税)

5月:3月決算法人の申告(法人の数が最も多い)

この時期は、どの税理士事務所も目の前の業務に追われています。

現在の税理士に解約を申し出ても手続きが後回しにされたり、新しく依頼したい税理士を見つけても「繁忙期が終わるまで待ってほしい」と断られたりする可能性が高いです。

税務調査の連絡があった直後・対応中

税務署から税務調査の事前連絡を受けた直後や、調査が実施されている最中に税理士を変更することは、厳に避けてください。

税務調査では、数年前にさかのぼって、帳簿の記載根拠や処理の経緯について説明を求められます。

途中から引き継いだ新任の税理士が、こうした過去の経緯を十分に説明することは極めて困難です。

その結果、税務署の指摘に対して適切に反論できず、多額の追徴課税を負担することになりかねません。

会社の状況が変わるタイミングも変更のサイン

時期や月だけでなく、会社の「フェーズ(状況)」が変化したときも、税理士変更を検討する重要なタイミングです。

会社の規模が拡大した・売上が大きく伸びたとき

起業当初は「安さ」や「記帳代行をしてくれるか」で選んだ税理士でも、売上が数千万〜数億円規模に拡大すると、より高度な節税対策や資金繰りのアドバイスが必要になります。

会社の成長スピードに税理士の提案力が追いつかなくなった時は、変更を考えるべきタイミングです。

クラウド会計などITツール・DX化を進めたいとき

「毎月、紙の領収書を郵送している」「未だに手書きの帳簿を求められる」といった場合、会社の業務効率化(DX化)の足かせになってしまいます。

マネーフォワードやfreeeなどのクラウド会計ソフトを導入し、経理を自動化したいと考えたタイミングで、ITに強い税理士へ乗り換えるケースは非常に増えています。

事業承継やM&A、新規事業を検討し始めたとき

世代交代(事業承継)や他社の買収(M&A)、海外進出などを検討し始めた場合、それらに特化した専門知識を持つ税理士のサポートが不可欠です。

現在の顧問税理士の専門外である場合は、事業の転換期に合わせて税理士を変更、あるいはセカンドオピニオンとして別の税理士を迎えることを検討しましょう。

税理士変更の手順・スケジュール

次に税理士変更時に必要な手順やスケジュールについて、解説していきます。

変更にかかる期間の目安は「半年〜1年」

前提として、税理士変更には半年から1年程度の期間がかかると想定しておきましょう。「明日から別の税理士に変えます!」というわけにはいきません。

新しい税理士探しや、現在の税理士への解約予告、書類の引き継ぎなど、想定以上に時間がかかるものです。

モデルケース:3月決算法人の最適な変更スケジュール

最もおすすめのタイミングである「決算申告後(5月末)」に新しい税理士へ切り替える場合の、理想的なスケジュール例をご紹介します。

12月〜2月:新しい税理士を探し、面談して依頼先を決定する。

3月上旬:現在の顧問税理士へ「今回の5月末の決算申告を最後に解約したい」と申し入れる。(※3ヶ月前予告の場合)

5月末:現在の税理士が法人税の決算申告を完了させる。

5月末〜6月上旬:現在の税理士から預けていた書類・データを返却してもらう。

6月1日〜:新しい税理士との顧問契約が正式にスタート!

税理士変更の手順

具体的には、以下の4つのステップで進めていきます。

現在の顧問税理士との契約内容を確認する

まず始めに現在の顧問税理士との契約内容を細かく確認しましょう。契約書には、解約する場合はいつまでに申し出を行う必要があるのか、などの記載があるはずです。

特に長く契約している場合は、気づかぬうちに自動更新となっているケースが多いので注意しましょう。

その他、契約解除に影響が出そうな内容がないかどうか、よく確認を行うことをおすすめします。

次の税理士を探す

現在の顧問税理士との契約期間中に、次の税理士を探しておく必要があります。

理由は、解約後に税理士探しが難航した場合、突然の税務調査などがあった際に適切な対応が取れなくなってしまうためです。 税理士の探し方については後述しますが、税理士を変更すると決めたら早めに行動しておきましょう。

解約の旨を顧問税理士に伝える

次の税理士のめどが立ったら、現在の顧問税理士に解約したい旨を伝えましょう。

相手が嫌な思いをしないよう、できるだけ角が立たないような理由を添えて伝えられると良いです。

例えば「古くからの友人が税理士事務所を設立した」などの事情を話すと、やむを得ないということで話がまとまるかもしれません。

書類等の必要物を返却してもらう

顧問税理士の解約時に、税理士に渡している書類やデータを返却してもらう必要があります。

円満に解約できる場合はスムーズに返却が進みやすいですが、中には返却が滞るケースもあるようですので、注意が必要です。

返却してもらうべき書類は主に、請求書、領収書、決算書、年末調整関連書類、各データなどがあげられます。

契約時にどういった書類やデータを渡しているか記録している場合はそれらをチェックしましょう。

上記の手順をしっかり行うことで、次の税理士にスムーズに引き継ぎを行うことができるでしょう。

「現在の顧問税理士に満足していない」「より自社に合ったサポートを受けたい」とお考えの方は、お気軽にご相談ください。

税理士変更をするメリット・デメリット

税理士の変更には手間がかかります。

変更することで得られるメリット・デメリットをご紹介します。

メリット

税理士変更には、以下のようなメリットがあります。

  • 報酬額を適正にできる
  • 不満を解消できる
  • ニーズに合ったサポートが受けられる

前述の通り、税理士変更の理由として多いのが報酬への不満や、業務に対する不満、経営方針と合っていないことです。

これらの不満は税理士を変更することで一挙に解決できる可能性があるほか、適切な報酬でニーズに合うサービスを提供してくれる税理士、つまり自社に最適な税理士に変更できる可能性があります。

デメリット

逆に税理士変更には、以下のデメリットもあります。

  • 引き継ぎに労力が必要
  • 良い税理士に出会えない可能性がある
  • 会社への理解や信頼関係を一から築く必要がある

先程ご紹介したとおり、税理士を変更するにはまず新しい税理士を探さなければなりません。その上で、預けている書類等を全て回収し新しい税理士に引き継ぎをする必要がありますが、この引き継ぎ作業には少なからず労力がかかります。

また、新しい税理士を探してみたものの自社が求める条件・ニーズを満たす税理士が見つからない可能性があります。

さらに仮に見つかったとしても、会社がどのような事業を行っており、どのような経営方針で運営しているかなど、一から会社への理解を深めてもらい信頼関係を築いていかなければなりません。

税理士を変更するときの5つの注意点

税理士変更の際、下記の5つに注意しましょう。

税理士変更のタイミングと時期に気をつける

税理士の変更をスムーズに行うには、契約解除の連絡をするタイミングや時期に注意が必要です。

特に、確定申告の直前期における税理士変更の連絡は、避けた方が無難といえます。

この時期の担当者や所長税理士は、常に顧問先を飛び回っていますので、連絡をとることが難しく、たとえ連絡がついても、落ち着いて事情を話したり、返却してもらわなければならない書類関係の準備に時間がかかったりして、スムーズに変更が進まない可能性が高いです。

したがって、個人の確定申告の直前期である2月・3月の税理士変更は避けましょう。

また、一般的に3月を決算月とする法人が多いため、法人の確定申告期限が集中する5月も多忙である事務所が多いです。

次に依頼する税理士を見つけておく

税理士を変更するなら、次に依頼する税理士を先に見つけておく必要があります。

「とにかく一日でも早く解約したい!」「今の税理士よりいい人なんて、すぐに見つかるに決まっている!」という気持ちもあるかと思いますが、短期間で見つけた候補の中から適当に選ぶと、また税理士変更を検討しなければならなくなる可能性があります。

税理士変更の検討を始めてから実際に変更するまでの期間は、半年から1年程度を見積もっておいて、税理士変更をする可能性が高まったら速やかに次の税理士探しを始めましょう。

税理士との契約書を確認する

税理士に変更の連絡をする前に、税理士と交わした顧問契約書で契約解除の手続きを確認しておきましょう。

契約通りの手順で解約することで、無用なトラブルを防ぐことができます。

中には、「解約の3ヶ月前には申し出ること」などの条件が設定されていることがあるので要注意です。

税理士に預けている書類は確実に返してもらう

税理士を変更する際は、今の税理士に預けている書類や、それまでに入力した決算・申告のデータや税務などの届出関係をまとめた資料をすべて渡してもらいます。

これを怠ると新しい税理士が現状を把握できず、前の税理士に確認を取らなければならない状況が発生してしまいます。

また、関係を解消した税理士に、会社や個人の重要な情報を預けていてもメリットは特にありません。

逆に何かあったときの情報漏えいリスクは残りますので、税理士変更をする際は、全ての書類を返してもらうことが合理的です。

もし、税理士が書類返却を拒否するような場合、その税理士が所属している税理士会に相談するという対処法があります。

税理士変更の最終業務日を決めておく

新しい税理士が担当を開始するまでの間に税理士不在の期間が生じないよう、今の税理士との間で最終業務日を取り決めておく必要があります。

また、後に税務に関する責任の所在を明らかにしなければならない事態が発生したときに備え、最終業務日は記録に残し、しばらくの間、保管しておきましょう。

税理士を変更するときに失敗しないためのポイント

税理士変更を失敗しないためのポイントをご紹介します。

事前に依頼したいことを明確にしておく

税理士変更を検討されている方は、今の税理士から受けているサービスを通じて、税理士に本当にしてもらいたいことが見えてきたのではないでしょうか。

次に契約したい税理士には、ご自身が依頼したいことを出来る限り細かく前もって伝えるようにしましょう。

税理士に依頼したいことの例
  • 確定申告や決算書の書類作成、申告
  • 節税対策のサポート
  • 税務面から見たときの資金繰りの見直し
  • リスクや改善点の把握

税理士と実際に会ってから変更を決定する

「優秀な先生だし、業界では評判もいいはずなのに、なぜか私には合わない…」

「話した後、いつも何となくモヤモヤする…」 ということがあります。

この「何となく合わない」という感覚は、意外と重要です。

税理士は、言ってみれば経営者に伴走する「パートナー」ですから、「相談しやすい人柄である」、「話し方が分かりやすい」、「前向きな姿勢で好感がもてる」といった印象も、税理士を選ぶ際の重要なポイントになります。

税理士を変更するとき、次に契約したい税理士とは、実際に会って話しておくことが大切です。

長く付き合える税理士のポイント
  • 話をしっかり聞いてくれ、自分の話や提案を一方的にしてこない
  • 専門的な用語ばかり使わず、分かりやすく話してくれる
  • 経営者の目線に立ち、アドバイスをしてくれる

税理士の特徴や強みを把握する

次の税理士を選ぶ際には、その税理士の得意な分野とご自身の営む事業がマッチするかどうかを確認しておく必要があります。

税理士によっては、事務所のホームページで、事務所の経営理念、サービス内容、料金、経営支援に対する考え方や方法、実績などを公開しています。

こうした情報を踏まえて話を進めることで、税理士変更の後になって「思っていたサポートが受けられなかった」「うちの会社の経営方針やスピード感には合わなかった」といったミスマッチを減らすことができます。

税理士を変更して成功したケース

最後に税理士変更で成功したケースをご紹介します

会社の課題が明確になった

自社の業界に明るい税理士や、経営支援に前向きな税理士に変更することによって、それまで経営者が気が付かなかった会社の課題の発見に繋がることがあります。

経営のパートナーになってもらえた

経営者は経営環境の変化、会社の成長戦略、人材の採用や育成、事業承継や相続など、あらゆる悩みを独りで抱え、日々戦っています。

決算や確定申告を依頼しているだけの関係である税理士にこれらを相談しようとはなりませんが、人柄の合う税理士に変更すれば、経営や将来に関する悩みも相談できる良きパートナーになってくれます。

税務調査に立ち会ってもらい、安心して対応することができた

税務調査への対応は、税理士によって異なります。

調査に立ち会い、税務職員からの質問に回答したり、調査結果の説明を一緒に聞いて必要な受け答えをしたりする税理士であれば、税務調査にも安心して臨むことができます。

また、「書面添付制度」を活用することで、税務調査に伴うクライアントの負担を、可能な限り軽減することも可能です。

税務調査に積極的に対応する税理士や、書面添付制度を導入している税理士へ変更することで、調査の負担が軽くなり、本業に専念しやすくなります。

まとめ

今回は税理士変更について、解説いたしました。

税理士変更には、事前準備とタイミングが非常に重要となります。

会社のお金に関する事情を任せる相手になりますので、様々な面から検討を重ね、信頼に足る税理士と契約することが大切です。

税理士 中村太郎

いかがでしたでしょうか。

会社経営のパートナーとなる税理士。信頼関係を築くことが非常に重要です。

小さな不満を許容することも大切ですが、きちんと相手に伝え、より一層信頼関係を深める努力も大切です。

是非、自社に適した税理士を探してください。

弊所は『社長の真のパートナー』になれるよう、日々邁進しております。

何かお困りの際にはお気軽にお問い合わせくださいませ。

ABOUT US
新宿の税理士「中村太郎」
税理士業界経験20年超。過去、300社を超える会社、さまざまな業種・企業の税務・財務・融資・補助金申請などの業務を経験してきました。その経験と、士業はサービス業であるという精神から、ご満足頂けるご提案やサービス提供が可能であると自負しております。貴社の真のビジネスパートナー、経営者の方の「右腕」として弊社をご活用下さい。