iDeCoの仕組み
- 加入手続きについて
iDeCoの運営管理は、民間の金融機関が行っています。
金融機関ごとに取り扱っている商品が異なるため、ホームページを見て、自身が投資したい商品を扱っている金融機関を選び、加入申し込みを行います。
- 掛金の最低額と上限額について
掛け金の最低額は月5,000円で、1,000円単位で自由に設定できます。
掛け金の上限額は、各人の公的年金・企業年金の加入状況によって変わります。
iDeCo公式HP httpss://www.ideco-koushiki.jp/guide/structure.html
- 加入期間中の運用について
iDeCoの掛け金は、自身で選んだ金融商品で運用され、運用中に生じた利益は元本に加えて再投資されます。
途中で投資対象を変更することも可能です。
- 受取りについて
iDeCoで運用した金融資産は、60歳から75歳の間に受給を始めることができます。
受け取る方法は、
- 一時金として一度に全額を受け取る方法
- 年金として分割して受け取る方法
- 一時金として年金を組み合わせる方法
があります。
年金の場合、5年以上20年以下の有期年金や終身年金を選択できる金融機関があります。
加入可能年齢が65歳まで拡大
iDeCoは、公的年金にプラスして受け取れる「私的年金」の制度です。
月々の掛け金を自身で選んだ投資信託などの金融商品で長期運用し、老後の公的年金の上乗せとする制度になります。
私的年金であるiDeCoに加入義務はなく、自身の好きな年齢から始めることができます。
加入できる年齢は、2022年5月から65歳まで拡大されています。
iDeCoの節税効果
掛金が全額「小規模企業共済等掛金控除」に
iDeCoに支払った掛け金は、全額がその年の所得控除(小規模企業共済等掛金控除)になり、支払った本人の所得税と住民税の負担を軽減することができます。
所得控除は確定申告によって受ける方法と、勤務先の年末調整によって受ける方法があります。
分配金などの運用利益が「非課税」
通常、個人で投資した投資信託など金融商品の運用によって生じた利益からは、20.315%の税金(所得税15.315%、住民税5%)が差し引かれますが、iDeCoで運用する金融商品から生じた利益は非課税になります。
税金を引かれないまま再投資されるため、投資の複利効果を効率的に得ることができます。
一定額まで「非課税」
iDeCoで受け取った一時金や年金には所得税と住民税がかかりますが、いずれの受け取り方法にも控除額があります。
- 一時金の場合
一時金は退職所得として扱われるため、受け取った総額から「退職所得控除額」を控除した残額の2分の1が所得税の課税対象となります。
さらに税額は分離課税で計算されるため、他の所得に影響しません。
- 年金の場合
年金は雑所得(公的年金等)として扱われるため、毎年、受け取った総額から「公的年金等控除額」を控除した残額が総合課税の対象となります。
iDeCoによる節税事例
iDeCoでどのくらい節税になるか、計算してみましょう。
たとえば、年収600万円の会社員の方がiDeCoに月2万3,000円(年27万6,000円)の掛け金で加入した場合、所得税と住民税を合わせて年5万5,000円ほどの節税になります。
20年間加入すれば、年金を用意しながら約110万円の資金を家計に残すことができるということです。
この節税効果は、所得が多い年ほど高まります。
所得税率は所得の高い部分に高い税率が適用されるため、所得の高い年ほど所得控除の恩恵が大きくなるのです。
たとえば、年収1,500万円の会社員の方が同じ掛け金でiDeCoに加入した場合の節税額は、年12万円ほどになります。
20年間加入すれば約240万円の節税です。
iDeCoを始めるときの注意点
60歳まで資金の引き出しができない
iDeCoは60歳を迎えるまで、掛け金を払い戻してもらうことができません。
※ごく限られたケースですが、脱退一時金を受け取れる場合もあります。
iDeCo公式HP:脱退一時金の請求手続きについて
元本割れリスクがある
iDeCoは、私的年金のうち「確定拠出年金」にあたる年金制度です。
この年金の特徴は、拠出する金額(掛け金)が一定で、将来もらえる年金が掛け金の運用結果で変化することにあります。
運用結果によっては、元本割れのリスクもあるのです。
もちろん、所得控除による節税メリットがありますので、運用の収支が多少マイナスであってもトータルの収支ではプラスになることもあるでしょう。
退職金や公的年金の税負担が上がることも
iDeCoの受け取り時には退職所得控除額や公的年金等控除額が適用されますが、iDeCo以外にも退職所得にあたるものや雑所得(公的年金等)にあたるものがあれば、この控除額は、それらとiDeCoの合計額に適用されます。
つまり、退職所得控除額や公的年金等控除額がすべてiDeCoの控除に充てられるわけではないということです。 特に退職所得控除額は、退職金とiDeCoを同じ年に受け取っていなくても、算定期間(会社への勤務期間やiDeCoへの拠出期間)が重複していると、その期間の控除が重複しないよう退職所得控除額が調整されることがあります。
まとめ
iDeCoについて仕組みやメリット、注意点をまとめました。
これからiDeCoに加入する方は、払戻金の税務を考えることが非常に重要です。
控除額が不足して所得が増えると、税金だけでなく、社会保険料や医療費の負担にも影響します。
iDeCoをはじめとする節税対策は、税理士にご相談ください。
いかがでしたでしょうか。
こういった節税対策は、きちんと理解した上で運用することが大切です。
始める際には是非、税理士にご相談ください。
まいど!西新宿の税理士 中村です!
皆さん【iDeCo】はご存知ですか?
ご利用されている方も多いかと思いますが、iDeCoの節税効果やその仕組み、メリットはご存知でしょうか。
本記事ではこれらを解説致します!是非ご一読下さい!