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追徴課税とは?個人事業主が知っておきたい基礎知識

税理士 中村太郎

年も明け、早くも半月ほど経ちました。

あと1ヶ月もすれば、令和3年度の確定申告の受付が開始されます。

そこで今回は、個人事業主が知っておくべき『追徴課税』をテーマに解説致します。

追徴課税とは

税金を期日までに納付しなかったり、税務署から更正や決定の処分(税務調査の結果などから納税額を決める処分)を受けたりすると、本来、納めなければならない所得税や消費税といった税額に加えて、ペナルティとなる税金を追徴課税されることがあります。

個人事業主に関係のある追徴課税には、所得税、消費税、源泉所得税といった国税を納めなかったときに発生する、次の5つの税金です。

過少申告加算税

過少申告加算税とは、期限内に確定申告書を提出したものの、収入が少なく計算されていたり、必要経費等が過大に計算されていたりすることによって、本来申告するべき税額よりも少ない税額を申告していたときにかかる税金です。

たとえば、確定申告で40万円の所得税を申告・納税したところ、税務調査によって帳簿や領収書などの確認を受けた結果、正しい税額は100万円だったとします。

この場合、差額の60万円を、自ら修正申告をして(あるいは税務署から更正の処分を受けて)納税するのですが、税額を過少申告したペナルティとして、60万円に対して「過少申告加算税」が発生します。

この場合の過少申告加算税は、60万円に対し、税率10%(50万円を超える部分は+5%)で計算されます。

ただし、税務署の更正の対象になることを予知していないうちに自発的に行った申告であれば、税率は5%(前同)に下がります。

さらに税務署からの調査通知も受けていなければ、過少申告加算税はかかりません。

無申告加算税

無申告加算税とは、申告するべき税額があるのに確定申告をしていないときや、理由なく期限を過ぎてから確定申告(期限後申告)をしたとき、期限後申告の修正申告をしたときなどにかかる税金です。

たとえば、確定申告をしなかった人が、後に税務調査を受けて80万円の所得税の期限後申告をした場合(あるいは税務署の決定の処分を受けた場合)、80万円に対して、15%(50万円を超える部分は+5%)の無申告加算税がかかります。

税務署の決定の対象になることを予知していないうちに自発的に行った申告であれば、税率は10%(前同)に下がり、そのうち、税務署からの調査通知も受けていなければ5%に下がります。

無申告加算税と過少申告加算税の違いは、期限内に申告をしているかどうかです。

期限内に申告をしていない無申告加算税のほうが、当然ながら税負担は重くなります。

不納付加算税

源泉所得税を、法定納期限を過ぎてから納めるときに発生する加算税です。

源泉徴収をしなければならない給与や報酬の支払い元である事業主に対して発生します。

税率は10%ですが、税務署の処分の対象になることを予知しないうちに自発的に行った申告であれば5%に下がります。

なお、法定納期限から1か月以内の納付であれば、過去1年間、法定期限内に納付し続けている納税者に限り、不納付加算税の対象になりません。

重加算税

重加算税とは、納税者が、納税額の計算に必要な事実を隠蔽または仮装して申告した場合、上記の加算税の代わりに課税される税金です。

過少申告加算税や不納付加算税の代わりに課税される重加算税であれば税率は35%で、無申告加算税であれば40%です。

より悪質な納税者に対するペナルティとなります。

延滞税

延滞税とは、法定納期限までに納めていない税金があるとき、遅れた日数に応じて発生する税金です。

上記4つの加算税とは別ですので、加算税と延滞税の両方を負担しなければならないケースもあります。

税率は、年率で定められていますので、遅れた日数で日割り計算します。

追徴課税の対策・対応

追徴課税を受けないための対策

追徴課税を受けないための平素からの対策は、下記のとおりです。

  • 納税スケジュールの管理を徹底する
  • 振替納税など、手間のかからない納税方法を活用する
  • 源泉所得税は、納期の特例を活用して納税を年2回に減らす(逆に忘れないよう注意!)

法定納期限を過ぎたときの対応

うっかり期限を過ぎてしまったことに気づいた場合、なるべく早く自分から納税することが最善策です。

まず、加算税は、自発的に申告・納税をすることで税率を引き下げることができます。

特に過少申告加算税や不納付加算税は、早めの納税によって、加算税の対象外になるケースがあることは、前述のとおりです。

また、加算税の税額(税額×加算税率)は5,000円未満であれば全額切り捨てとなるため、この点においても、税率が低いうちに申告することにはメリットがあります。

延滞税についても、日数に応じて日割り計算されることや、納期限から2か月を経過すると年率が上がることなどから、1日でも早く納税することにメリットがあります。(延滞税には法定納期限から一年を過ぎると、計算から除外される期間があります)

(参考)加算税の軽減措置も知っておこう

加算税は、さまざまな税制において軽減措置や加重措置の対象とされています。

たとえば、令和4年から適用される改正後の電子帳簿保存法では、電子帳簿保存の要件が緩和される一方で、従来のような優良な保存要件を満たす電子帳簿を保存する事業者は、その過少申告加算税が5%軽減される措置が新設されています。

個人事業主の場合は、事業所得、不動産所得、山林所得といった帳簿の保存義務がある所得について発生した過少申告加算税が、軽減措置の対象となります。

税理士 中村太郎

いかがでしたか?

税金は国民の義務であるため、不正等は厳しいペナルティがあります。

しかしながら自発的に対応・納税をすれば大きな問題にはなりません。

知識があれば、不測の事態にもスムーズに対応することが可能です。

一緒に税金への理解を深めていきましょう!

ABOUT US
新宿の税理士「中村太郎」
税理士業界経験20年超。過去、300社を超える会社、さまざまな業種・企業の税務・財務・融資・補助金申請などの業務を経験してきました。その経験と、士業はサービス業であるという精神から、ご満足頂けるご提案やサービス提供が可能であると自負しております。貴社の真のビジネスパートナー、経営者の方の「右腕」として弊社をご活用下さい。