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消費税の課税期間短縮制度を利用すべき事業者とは

消費税の課税期間を短縮できる制度とは

消費税の課税期間は、原則、事業年度になります。

事業年度とは、会社の定款等に記載された、決算日までの一年間の会計期間のことで、法人税路同じ計算期間のことです。

しかし消費税には、この課税期間を3か月や1か月に短縮できる特例があります。

消費税の還付を経常的に受けられる、輸出業や貿易業を営む事業者にとっては、資金繰りが改善するなどのメリットがあります。

まずは、課税期間を3か月や1か月に短縮するということがどういうことなのかをご説明します。

短縮後の課税期間

課税期間の短縮は、好きな日から始めることはできません。

原則の課税期間(12か月)を、事業年度の開始日から3か月・1か月ごとに区分します。

【例】3月決算法人の課税期間を3か月に短縮した場合

【原則の課税期間】

4月1日~翌年3月31日

【3か月に短縮した場合の課税期間】

  • 4月1日~6月30日
  • 7月1日~9月30日
  • 10月1日~12月31日
  • 翌年1月1日~3月31日

【例】個人事業主の場合

【原則の課税期間】

1月1日~12月31日

【3か月に短縮した場合の課税期間】

  • 1月1日~3月31日
  • 4月1日~6月30日
  • 7月1日~9月30日
  • 10月1日~12月31日

12月決算法人も同じです。

課税期間を短縮したときの申告期限について

課税期間を3か月に短縮した場合、一つの事業年度に対し4回の申告が必要になり、1か月に短縮した場合は、一つの事業年度に対し12回の申告が必要になります。(中間申告は不要になります。)

申告期限は、各課税期間の終了の日から2か月以内です。

ところで、法人税の申告期限の延長を受けている法人の課税事業者は、届け出をすることで、消費税の申告期限も1か月延長することができます。

ただしこれは、事業年度終了の日の属する課税期間の提出期限を延長するものですので、決算日を含む課税期間の申告は、延長の対象になりますが、それ以外の申告は2か月以内が申告期限になります。

課税期間を短縮したときの納期限について

課税期間を短縮しても、原則は申告期限までに納付します。

ただし時期によっては納期限が変則的になりますので、国税庁のWebサイト等でご確認下さい。

(参考)国税庁:課税期間の特例適用者に係る納期限及び振替日について(令和3年分)

https://www.nta.go.jp/taxes/nozei/nofu/24200038/02.htm

課税期間を短縮する方法

課税期間の短縮をしたい場合は、その期間が開始する前に、税務署に「消費税課税期間特例選択書」を提出します。

例えば、4月1日から3か月に短縮したい場合は、3月31日までに提出するということです。

尚、短縮を受けている事業者が、「3か月→1か月」、「1か月→3か月」に変更することも認められています。

変更する場合は、変更したい課税期間が開始する前に「変更届出書」を提出します。

消費税の課税期間を短縮するメリットのある事業者

貿易業や輸出業といった「免税売上」が売上の大部分を占める業種では、消費税の申告は、基本的に還付申告となります。

こうした事業者では、消費税の課税期間を短縮するメリットがあります。

免税売上とは

免税売上とは、消費税の課税売上にあたるものの、その消費先が国外である等の理由から、消費税が免除されるものです。

免税となる取引

  • 国内からの輸出として行われる資産の譲渡または貸付け
  • 国内と国外の間の通信または郵便若しくは信書便
  • 非移住者に対する鉱業権、工業所有権、著作権、営業権等の無体財産権の譲渡又は貸付け
  • 非移住者に対する役務の提供

還付申告となる理由

免税売上は、本来は課税売上にあたるものですので、そのために行った課税仕入れは、仕入控除税額に計上されます。

そのため、免税売上が大部分となる、貿易業や輸出業といった課税事業者は、基本的に毎回、消費税が還付されることになります。

課税期間の短縮で資金繰りが改善する

消費税の還付を経常的に受けられる、貿易業や輸出業といった課税事業者は、あえて課税期間を短縮することによって、資金繰りを改善させることができます。

通常は12か月の事業年度が終わるまで待たなければならない消費税の還付を、3か月・1か月の短い期間で受けることができるようになるからです。

海外進出を計画中の事業者であれば、事業計画にこのことを加えると、医業の成長スピードも上がるかもしれません。

尚、簡易課税を選択していると消費税の還付を受けられませんので、選択中であれば不適用の手続きを、課税期間の開始前に行う必要があります。

【注意】申告手続きが大変になるというデメリットも

課税期間を短縮すれば、その分、消費税の申告回数が増えます。

したがって、その分の金銭的・時間的なコストが生じるというデメリットを伴うことに注意が必要です。

しかも、短縮を開始した課税期間を含めて2年間は、元の課税期間に戻すことはできません。

課税期間を短縮するときは、発生するコストに見合う還付が受けられるかどうか、シミュレーションを行い、よく検討する必要があります。

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新宿の税理士「中村太郎」
税理士業界経験20年超。過去、300社を超える会社、さまざまな業種・企業の税務・財務・融資・補助金申請などの業務を経験してきました。その経験と、士業はサービス業であるという精神から、ご満足頂けるご提案やサービス提供が可能であると自負しております。貴社の真のビジネスパートナー、経営者の方の「右腕」として弊社をご活用下さい。